“オペレーション絆”（ＫＩＺＵＮＡ）発動！！ブレーキメンテ地獄絵図。

毎回毎回、大げさなタイトルで申し訳ないです。（笑）最近まで、私はバイクのメンテと言えば、洗車やらチェーンの注油、タイヤのエア圧管理と、正しいのか判らんサスのセットくらいしかしていなかったのである。（威張って言える事ではないが…。）
しかし、よくよく考えてみれば、自分のバイクである。やれる事は自分でやる事で、経費節約＆更に自分のバイクに対する愛着が深まると言うモノである。（噂では“経費節約がメインの理由とか…。）
そんなこんなで、今回のメンテのお題は“フロントブレーキのメンテ”！！
今まで、やりたいやりたいと思いつつも、制動系のメンテなんて自分にはハードルが高すぎると思っていたのである。
けど、やらなきゃずっと出来ないまま。一応、いつものショップでやり方を聞いていたし、“漢前”のメンバーであるカッキーは元某メーカー系のショップの店員さんである。
ここは、カッキーに弟子入りして作業するのが賢明であろう。
優しいカッキーはオッサンの我がままを快く引き受けてくれて、自宅のガレージ（ここのウチはお父さん、カッキーお嫁さんのコロちゃんと家族の殆んどがバイク乗りであり、一般家庭の常識を超えた設備がある。）を提供してくれた。
ってな訳で、無謀にも“ブレーキメンテ”に突入する訳だが、どうせキャリパーを外すのだし、そろそろヤバい、パッドの交換も同時に行うことにした。（余談だが、私のフロントのキャリパーは、“ベルリンガーの６Ｐ”このパッドが強烈に高いのである。左右のセットで諭吉さん1・5人が消えた…。）
そして、6月某日、作業の先行きを暗示するかの、小雨の中、カッキー宅に向かったのである。
カッキー宅に到着すると、既にガレージには椅子とテーブルも用意されて、休憩スペースも確保されていた。手回しの良い事である。
で、挨拶もそこそこに、ガレージにＣＢを乗り入れ、作業を開始した。今日の作業をツイッターでつぶやいていた為、カッキーの義兄（つまり奥さんのお兄さん）にあたるＧＡＺＺＹさんも後から合流してくれる事に。
ここ、作業の流れを…。（まあ、大半の方がご存じだろうが…）
まず、ブレーキキャリパーを取り外し、ブレーキパッドも外す→汚れに汚れているはずのキャリパーのお掃除。（これは中性洗剤＋お湯で洗うって流儀の方もパーツクリーナーでサクっと洗浄って流儀もあるらしいが、今回はカッキーの流儀の後者で。）→裸になったピストンを外れて落ちない程度にブレーキレバーをニギニギしてキャリパーから出す→これを“専用工具”でピストン回したり引っ込めたりして動きがスムーズになるまで繰り返す。→動きがスムーズになった所で、いつものショップ推奨の”スプレーグリス”をピストンに塗布。で、普通にパッドを交換して作業終了。と、書いてしまえば簡単なのだが…。（苦笑）
で、早速右側のキャリパーの取り外し。で、ピストンを動かす。

ここで、私は、とんでもなく甘い見通しを反省する事になる。
ピストンを動かす際に、“スナップリングプライヤーで十分！”と思い込んでいたのだが、これが、固い事！！専用工具じゃ無ければ、手も足も出なかった…。だが、カッキー宅には当然のように装備されていたのである。
専用のプライヤーでピストンの内側をクリップして回したり、引っ張り出したり、これまた専用工具＆手で押し込んだりして動きが軽くなるまで繰り返す。（この時、間違ってもピストンの外側にキズなど付けてはいかんのである。それにしても“初メンテ”で６Ｐのキャリパーはハードルが高過ぎたような気も…（苦笑）

ここまでは、まあ、なんとかスムーズに作業は進んだ。で、お次はブレーキパッドの交換。
これまた、人によって流儀が有るようで、パッドの角を削って“音”が出ないようにする人、角は削らない人、また、パッドを組み付ける際にパッドグリスを塗る人、塗らない人等…。どっちもそれなりに理由があるので、お好みでって事で。
今回は“削り＆塗布”の方法で。
まずは、パッドの角を全部、ヤスリで削って行く。

で、パッドピン、パッドの裏側にグリスを塗って、組み付け。
が、ここでとんでもない事態が勃発！！
どうやっても、パッドがまっすぐに入らないのである。あれこれ向きを変えたりキャリパーの向きを変えまくったり（これが、後に更なるシャレにならん事態につながるのだが…。）しても無理！！ほんのちょっとの所なのだが…。
やり方が悪いのか、おフランスの製品の精度なのか…。途中参加のＧＡＺＺＹさんを含めて鳩首会談…。
で、結局、バックプレートごと削ってしまうという荒技に出る事になった。
手とヤスリではシンドイなあ…。と思ったが、ここでも一般家庭には普通無いはずのグラインダーが…。
つくずく、何でもあるご家庭である。（笑）

で、“荒技”のおかげで、何とかキャリパーに装着し、フロントフォークに取り付け。最初はディスクが入らなかったのだが、“削り”のおかげで、ちゃんとクリアランスを持って、装着完了。
そして左側に作業は移行する。右側にで苦労をしたので、左はサクっと作業して、全行程完了しのハズだったのだが…。
難無く、左のキャリパーメンテを終えて、フォークに装着。普通はここで、数回ブレーキをニギニギしてやれば、タッチが戻って完了であるのだが…。
タッチが全然戻らないのである。ブレーキを握る手が疲れるほど握っても…。（涙！）
察しの良い方は（じゃなくても判るか？）お気づきだろうが、どうやら“エアを噛んじゃった”みたいだ…。
あちゃ～、ここで作業を中断すればウチにも帰れない。小雨の中、ブレーキフルードと必要工具の買い出しを覚悟したのだが…。さすがカッキー宅である。フルードも工具もあるとう言うではないか！もはやここのウチは自宅じゃ無くて“バイク屋”である。つくづく恐ろしい家だ。（笑）。
そういう訳で、さっそくエア抜き開始。ところが、純正のキャリパーと違って我がベルリンガーのキャリパーのブリーダーバルブの作りが凄い事になっていた…。
レンチが入らないのである。専用工具があるのか？と思うくらいタイトな造り。
ちょっとピンボケだがこんな感じ

緩めたり、締めたりの作業が、困難を極めるのである。できるだけ、薄くて、短いオープンレンチで作業に臨んだのだが、どうにも作業が進まない。サイズは9ミリだと思われるが、色々なサイズで試してみて９ミリが使えたと言うだけで、正確には別のサイズなのかも知れない。
ともかく、男3名の手の大きさではレンチを支えるのがやっとで、とても締めたり緩めたりは出来ない状態。
だが、ここで今まで撮影係に徹していた“真打ち”が登場！！
そうである！女性のコロちゃんの手のサイズなら辛うじて、工具を操作できるのであった。
ついに、その場所に存在する“バイク乗り”が全員、協力して作業する作戦、名付けて“オペーレーション絆（ＫＩＺＵＮＡ）が発動されたのである。バルブの開け閉めを担当するコロちゃん、ブレーキフルードをタンクに継ぎ足す担当のカッキー、ブレーキをニギニギするＧＡＺＺＹさん、色々やって辿りついた、エアを含んだフルードを注射器改の工具で吸い出す私…。4人での共同作業である。作戦の命名者はカッキー。この作業う通じて今まで以上にメンバー間の”絆”が深まったってことでの命名である。
それでも作業は難しく、何度も何度もリトライしてタッチの確認→再度、エア抜き…。もう、いい加減いいんじゃ？
と思う頃、右側のキャリパーからエライ量のエアが出てきた。
結局、左はそうでもなかったが、最初に作業した右は、キャリパーをあんな向きやこんな向きにぐるぐる、動かした為に、大量のエアが混入していたのだ。
午後イチから、開始した作業である。普通なら、遅くても“3時のオヤツタイム”には終了するはずだが、既に時間は“晩御飯”近くに…。"地獄絵図”は少々、おおげさだったが、困難を極めた作業も無事に完了。
辛く苦しい？作業を完了したメンバーは，慰安を兼ねて、ＧＡＺＺＹさんのご子息、“Ｒ君”のリクエストに応えて、“焼き肉屋”に繰り出したのであった。
で、明けてあくる日、私は工具ショップの”アストロプロダクツ”にいたのである。
キャリパーピストン用のプライヤーはもちろんの事、これを買いに…。次から少し作業し易くなるのか？（笑）

追記　作戦に協力頂いたメンバーの皆さま、おかげさまでブレーキは絶好調になりました。有難うございました！

タグ：メンテナンス

コメント 4

オイラもピストン清掃道具欲しいですな･･･
何も持ってないので、ハンドパワーでの作業となり、
フロント４ポッドｘ2個やると指が動かなくなります(笑)
by yoshian (2012-07-08 13:12) 

　カッキーさん宅は、ふつーに(販売をしていないのでバイク屋ではなく)整備工場だと思う・・・あれ？実は販売もしていたり？？

　お疲れさまでした。重要保安部品(出いいのかな？)は、怖くて手が出せません。
by 剣片喰 (2012-07-08 14:15) 

yoshian さん、遅コメすんません！！
確かにピストン、引っ込めるのには人力じゃ厳しいですなあ…。
１人で自信持ってメンテできるようになれば（笑）自分も買うかも？（笑）

by ガン (2012-07-29 10:49) 

剣さん、こんにちは！まったくもってその通りです。
ブレーキメンテは初めてやりましたが、やってみると楽しいものです。
ただ、ＡＢＳ付きとなると…。（苦笑）
by ガン (2012-07-29 10:51)